横浜ギガスピリッツやレジェンドを経て「岩手ビックブルズ」で初代キャプテンを務め、現在は岩手県内で個人のスキルに特化したスクールを運営している山本吉昭さんに、スクール設立の経緯や、廃校を利用した3X3コートの設立のお話をお伺いしました。
―これまでのバスケットボール歴を教えてください
山本:幼少期、マイケル・ジョーダンに憧れてバスケットボールを始めました。ミニバス経験はなく競技バスケをはじめたのは中学から。本格的に指導を受けたのは高校生からです。高校ではインターハイ、ウインターカップ、大学進学後もインカレ出場し学生時代は多くの経験をさせていただきました。
大学卒業後、横浜ギガスピリッツの活動を中心とし、3X3の先駆けとなったプロストリートバスケットリーグ【レジェンド】 で活動。関東での活動後、地元岩手に戻り、岩手ビックブルズへ入団。初代キャプテンを務めました。
―今の仕事をはじめたきっかけを教えてください
山本:レジェンドに所属していた時、多くの個性豊かな選手たちと出会うことが出来ました。その出会いで影響を受け、個人のスキルを磨くことの重要性を強く感じました。
地元岩手へかえってクリニックを開催しようと思いましたが、当初は個人のスキルを磨くという考え方がまだ浸透していませんでした。レジェンドとの出会いをきっかけに、自分が地元岩手で個人スキルの重要性を伝える存在になりたいという思いからスクール事業をはじめました。
―仕事のやり甲斐や、大変だったことなどを教えてください
山本:バスケットボールを通じて技術だけでなく人としての成長も見られるところにやりがいを感じています。大変だったことは個人スキルスクールが県内で初だったため、選手達が所属しているチームのコーチや監督にスクールに通うことを受け入れられなかったこと。通いたい気持ちがあるが通うことができないという選手たちがいるということは当初とても心苦しかった。それでも、飛び込んできてくれたスクール生たちが結果を出すようになったことで個人スキルの必要性が浸透していき、スクールでも徐々に生徒が増えていきました。
―スクールの紹介、特徴などを教えてください
山本:現在県内でYAMAMOTO SCHOOL IとSHINYA SCHOOL Iの2校(7地区)でスクールを展開しており、小学3年生から高校3年生まで約250人の選手を指導しています。
個人のスキルに特化したスクールです。試合で勝つことも重要ですが、勝つことばかりを優先してしまうとその時にしか手に入らない感覚や感性が手に入らずに未来の可能性を潰してしまうと考えているので、身体の使い方やスキルの重要性を伝えています。
U15クラブチームの活動もしており、そこではチームの戦術なども教えています。どちらも選手自身が将来どんな選手になりたいかを自分で考え、それにあったアプローチをできるようにしています。
―今後のビジョンを教えてください
山本:まちの廃校プロジェクトに応募し、去年から廃校を利用してます。前々から市内の拠点を探し回っていたのですがなかなか見つからず、勢いで隣町の役場へ電話したことがきっかけです。この廃校を校舎も含めてバスケットボールでひとが集まる空間を作っていくことが今後の目標。2022年9月には中庭にmoltenさんの3X3コートを設置し、3X3の大会を開催しましたが予想以上の盛り上がりで興奮しました!
その他の教室は、身体強化のためウエイトルームや映像を見ながらスキルを学べるスキルルームへ改装しバスケを学べる環境を整備していきたいと考えています。
たくさん壁もありますが、大人がチャレンジをしつづける姿を、子どもたちに見せ続けて行きたいですね。